リトルな大人たち
毎年、年末になると「今年のベスト1は?」とか「じゃあワースト1は?」なんて質問をよくされます。僕も劇場のスタッフ同士で年末12/31の仕事が終わった後に「今年何本映画を見ましたか?」と「ベスト10」をここ数年毎年行っています。いつも自分はどちらかというとなるべく人が選ばないアメカルな映画を1位にしたりしています(ちなみに去年の外国映画ベスト1は、『エクソシスト』かと思いきや実は裁判映画だった素敵な1本『エミリー・ローズ』でした)。1年間を通して今年1番良かった映画が決まるのは人それぞれですが、もはや今年ベスト1候補な映画に出会ってしまいました。今のところ、真面目に1位にしようと思ってます。
そのタイトルは『リトル・チルドレン』です。このコラムが掲載される頃はまだ名古屋でも劇場公開中だと思いますので、興味が湧いた方は迷っている場合ではありません、見ないと損しますよな1本です。どんな映画かと申しますと、「ご近所秘め事博覧会」な映画です。まず話の設定が面白いです。アメリカ、ボストン郊外の小さな住宅街に性犯罪で服役していた男が帰って来た。住んでる人たちの中で小さな騒然が起こるが、それよりも何もこの住宅街には大人なのに大人になれない「リトル・チルドレン」たちがたくさん住んでいた。どんな「リトル・チルドレン」かと言うと不倫なカップルや楽しい秘め事が妻にバレた亭主や夫を完全に尻にひいてる美人妻や警察を不祥事でクビになって以来勝手に街のために自警団してる男、その他もろもろな博覧会でございます。
実はこの映画で描かれている「リトル・チルドレン」たちは身近な秘め事をしている方が多く、結構共感できたりする心理描写がめちゃくちゃうまいです。たまたま友人に変態チックな趣味をお持ちな方が多くて、たまたま仕事中に開いたアダルトサイトに興味を持ち、たまたまサイト見てるだけでは物足りずそのアダルトサイトでアダルティなグッズを注文し、たまたまそのグッズを利用して秘め事にふけっていたら部屋のカギを掛け忘れ、たまたま妻にバレて中学生並の大騒ぎになったりするとこなんか感慨深いものがありいろんな意味で共感してしまいました(笑&涙)。
監督は2001年の心の傑作『イン・ザ・ベッドルーム』のトッド・フィールド。彼の経歴で一番ビックリすることは監督より役者経験の方が長いことです。彼の描く心理描写は独特のオソロシさがあり、いつも見ていてドキッとすることが多いです。主演女優のケイト・ウインスレットにジェニファー・コネリーの女優対決は素晴らしいです。ケイトは巨大な裸体を揺らし、ジェニ・コネは夫の不倫疑惑に嫉妬し心が揺れる。ある意味彼女たちの経歴の中で最高の演技を魅せてくれます。
最後にこの映画最大の主役を演じたジャッキー・アール・ヘイリーにふれておきます。彼が演じた役は性犯罪者のロニー役。映画の中で息子(ロニー)を溺愛する母親に「僕は小さな子たちにしか興味がないんだ。」とつぶやき、母親の紹介でデートした女性の前で淫らな行為にふけるロニー。非常に大変な役に挑んだジャッキー・アール・ヘイリーはなんと子役出身!あまりのうまさにこの人ホンモノかな?なんて思わせるヘイリー。そんな彼にアメカル万歳!(でも性犯罪者の役だが瞳が澄んでてとっても綺麗です!)

映画「リトル・チルドレン」宣伝用チラシ





