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半農半音楽

Coupレーベル渓

渓(ケイ):COUP(クー)レーベルをグラフィックデザイナー高橋佳介(株式会社クーグート)と’99年に立ち上げ、以来制作を担当する。自身もギタリストとしてEtt(エット)のリーダーを務める傍ら多ジャンルに渡る演奏活動と各地でのツアーを行う。 '08年には通算4枚目のソロアルバムTamatsi Maxa Yuawi (タマツィ・マラ・ユアウィ)を発表した。CM音楽などの作曲や、ギター講師も務める。
2010/01/25

原点か??

 酔っ払って入った中華料理屋で唐揚げとビールを楽しんでいたら、妙な音が耳に入ってきた。店内のテレビで、素人のアカペラグループが歌声を競い合うという番組をやっていたのだ。音楽に対する各々の無理解具合と、審査している音楽家達のリアクションに驚いた。しかし最も驚いたのは各々がレパートリーに選んだ楽曲群とそれらに施したアレンジがある一つの様相を呈していたことだ。近頃の歌謡曲はどれも似通っているが、それらが無伴奏のアカペラで再現されることでメロディーやハ−モニ−の特性がよりあらわになり、共通した音楽的特徴が見えたような気がした。
 
 そこには西洋の音楽(ポップス)にあるようなメロディーやハ−モニ−はほぼ無い。音楽に慣れている我々ミュージシャンにとっては、あれは大変奇異なしろものである。あの抑揚の無さ、奇妙なコブシ、和声感の無さといったら。

 しかし私はあることを思った。これは黒白問わず外国音楽をおかしな具合で模倣した結果ではないのではないかと。J-POPには西洋音楽には無い、あるいはそれを無視した基準が確固として有り、それは日本のポップスが西洋の物の模倣の時代を過ぎ、ようやく日本音楽特質を打ち出し始めたということの現れではなかろうかと。

 どういうことかと言うと、あれは私達日本人の音楽感上で根源に近いところにあるもの、即ちお経や祝詞の類と共通点が有るのではないかと思うのだ。それは芸能音楽という意味でみると謡曲に当たるかもしれないし、総合的に見ると能や狂言、歌舞伎や文楽等のれっきとした日本の芸術/芸能の流れの上に在るのではないかと思うのだ。まあ、その出来は置くとして、だが。

 西洋音楽に馴れ親しんできた人間にはどうにも気持ち悪い音が、純粋な日本人的感性を保っている世の一般の人々には心地良い音なのではないか。マイノリティである我々音楽愛好家のほうが実は間違った感覚−西洋化されきって、日本人としては不自然ともいえる感覚−で音を捉えているのではないか。だから我々真面目なミュージシャンは世の中の一般的な邦楽ポップスに馴染めないのではないだろうか。


考えすぎてよく分からなくなってきたからとりあえず心を入れ換えてアカペラグループでも結成してみようか。やっぱJだねジェイ。頭文字と書いてイニシャル・J!! ナカグロJ!!