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半農半音楽

Coupレーベル渓

渓(ケイ):COUP(クー)レーベルをグラフィックデザイナー高橋佳介(株式会社クーグート)と’99年に立ち上げ、以来制作を担当する。自身もギタリストとしてEtt(エット)のリーダーを務める傍ら多ジャンルに渡る演奏活動と各地でのツアーを行う。 '08年には通算4枚目のソロアルバムTamatsi Maxa Yuawi (タマツィ・マラ・ユアウィ)を発表した。CM音楽などの作曲や、ギター講師も務める。
2009/08/10

何故〜略〜5

 萬歳という我が国の伝統芸能とラップミュージックの類似点については述べた。そこを通じてラップは日本化したという説には反対の向きも多かろう。現代日本人にとって萬歳は親しいものではない、知りもしない物の影響など受けるはずはないというのが言い分であろう。
 しかし実は私達の誰もが現在でも常に萬歳に触れているのである。日頃テレビで観ている漫才がそれである。「漫才」という表記は大阪の吉本興業によって1930年頃から用いられたもので、それ以前は萬才、萬歳などと表記されていた。漫才はまぎれもなく萬歳の発展の形の一つであり、同一物とも言える。その発展の経緯はここでは触れないがはっきりとしており、希少だが当時の録音物なども残されている。
 現在よく見られるような話芸としての漫才からは想像がつきにくいが、東ではかしまし娘や玉川カルテット、西は横山ホットブラザ−ズなどの漫才には音楽的要素が強い。これらは漫才の原型となった音曲万歳の影響を色濃く残すものである。因みに言うが他にも先に触れたドリフタ−ズを始めクレイジーキャッツ、ビジ−フォー、果ては堺すすむ、はにわ、ギター侍、ジョイマンなどもこの流れの上にあると私は考えている。ジョイマンのリズム感はラップから拝借したというよりはむしろ日本人の持つ自然なものだと考える方が納得がいく。楽器使用の有無はあれども、歌(リズムに乗せた言葉も含む)や音楽の使用、そして多くの場合言葉の「かけあい」(これは一種のリズムと言える)が用いられるという二点が、米国のスタンドアップ・コメディーなどと比較すると日本的であり、萬歳的である。