「あん」
別に朝からよがっている訳じゃないのだ。
名古屋の喫茶店のモーニングにはバターでもジャムでもなく、パック入りの「小倉あん」が付いてくるのだ!!!
しかしこれを食べてるワタシの目下の問題は ワタシが今一銭も持っていないということを忘れていたことだ。 まずいコーヒーを飲みながら、さてどうしたもんかと考えている。
この「あん」のパックを裏返したところ「株式会社ナニワ」と印刷されていた。
前川芳昭さん(52)。かつては関西アパレル業界でやり手と恐れられ、バブル時代には船場に自社ビルを建てる程に成功した。
しかし90年代後半に多額の負債を抱え会社は倒産。家財まで全て処分し失意のまま妻の実家のある愛知県に移る。 ト●タ自動車の工場で季節工として働く彼のささやかな楽しみは、近くの喫茶店のモーニングだった。 名古屋名物小倉トーストは、最初のうちこそ違和感を覚えたが今では好物の一つだった。 いつものように小倉トーストのモーニングを食べながら日経新聞に目を通していたある朝、忘れていた起業家としての野心に再び火が着いた。
「そうや、このあんをパックにして喫茶店に卸したらええ商売になるんとちゃうやろか。」
その日、ベルトコンベアの前での単純作業の間じゅう、彼は新しい事業について考えを巡らせていた。
「そうや、ワシはここでまた返り咲くんや。ナニワの商魂見せたるでぇ。よしゃ!社名はナニワにしよ!」
帰宅すると彼は妻にそのことを話した。
妻とは学生時代に知り合い…
あああ、アホか俺。こんな妄想しとる場合じゃない。さてモーニング代350円、どうするか。
(続く)
(漫画は本文とは関係なく次回へ続く)
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「気功コミック 十八式」






