相棒3・前編
臼井康浩というギタリストと二人で、flyline(フライライン)という名のギターデュオを組んでいる。
彼と僕とは年が近く、お互い同時期に名古屋に流れて来て、本コラム第二回以降に紹介したバ-KUKUで知り合った。
音響エンジニアとして各所で仕事をこなしながら、年間100本以上のライブを国内外で行い、共演ミュージシャンと参加バンドは数知れず。
毎夜仕事か演奏で帰りは遅いが早朝から作曲もしてまた出勤、の繰り返し。
美人の奥さんと家庭も持っている。
いつ会ってもノ-トパソコンを開いて予定の管理やらメールのやりとりをしている。
ミュージシャンの連絡先はたいてい臼井氏に聞けば分かるので頼りにされている。
ツアー慣れしているので都市間の移動や宿泊にも詳しい。
パソコンの路線検索機能よりも優れているのでバンドメンバ-はみんな彼に聞く。
なんでも知っていそうなのであるとき冗談で翌日の天気予報を聞いたら即答されて驚いた。
僕はひそかに彼のことを「マシ-ン」と呼んでいる。
そんな彼の演奏は即興演奏がほとんどだ。
生活、行動全般は細かに秩序だてているのに音楽はいきあたりばったりでやるという変人である。
しかし即興においても、演奏時間が決まっている時にはきっちりその分数で終わらせる。
もちろん時計も見ないし、音楽的にも完結させることができる。
あるとき彼が数人で演奏するのを客席で見ていた。
持ち時間は40分だと聞いたので時計を傍らに置いて鑑賞していた。演奏が終わったのは38分の時点。
さすがのマシ-ンでも2分くらいの誤差は出るもんだと思っていたら、やにわに共演者のピアニストが立ち上がり話し始めた。
ピアニストが話し終わったところがちょうど開始から40分。
そ、そこまで予測したのか臼井氏!!???
僕は他の客とは違うポイントで興奮しスタンディングオベ-ションを送ったのだった。
(漫画は本文とは関係なく次回へ続く)
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