今最も輝く女優・蒼井優さんがタナダユキ監督の最新作「百万円と苦虫女」のキャンペーンで先日名古屋を訪れました。

蒼井さんにとっては3年ぶりの映画への出演となるこの作品。
この映画の中で不器用で世間に背をむけて人と距離を置いて生きる主人公・鈴子を演じた蒼井さんにインタビュー!
タイトル:「百万円と苦虫女」
監督:タナダユキ
脚本:タナダユキ
出演:蒼井優、森山未來、ピエール瀧、竹財輝之助、齋藤隆成 他
製作:「百万円と苦虫女」製作委員会
配給:日活株式会社
ストーリー)
短大を卒業後、就職浪人中でアルバイト生活をしている21歳の主人公・鈴子はアルバイト先の女友達からルームシェアをもちかけられたことでトラブルに巻き込まれる。傷ついた鈴子は家族を離れ知らない土地を百万円をためては転々と移り住むことを決意する。行く先々で出会う人々が少しずつ鈴子の心の奥底にふれていく・・・。
百万円ためては新しい土地に移り住む女の子の役ですが、脚本をいただいた時いかがでしたか?―脚本を読んだ時点で風景や人物描写がすごくリアルに浮かんできて、とても気に入りました。鈴子という女の子はとても人間臭くて、多面的で一言で言い表せない子です。性格もどちらかというと不器用で不細工ですが、色んなことを考えていて感情の動きが単純ではない、ところにとてもひかれました。百万円ためては新しい土地を転々とする鈴子の生き方は、たくましいのに頼りない。けれどカッコいいし、うらやましいです。
蒼井さん自身に似ているところはありますか?―似ているなと思うのは、ゆっくり地道に生きているところでしょうか。逆に違うなと思うのは、鈴子は怒りが爆発するまで心に貯めて、怒りの表し方がとても極端で大胆ですが私の場合、心に貯めても実際には想像の中で消化してしまうので。
海、山、町とロケ地も盛りだくさんでしたが、心に残る場所はありましたか?―ロケ地はそれぞれ魅力的でした。海のロケは実はすごく寒くて。寒い中、皆で励ましあって撮影をしたのが印象的でした。山のロケは暑くて大変でしたね。桃農家の方がご親切に「桃をもいで食べていいよ」といって下さって、スタッフも皆機材を片手に桃をほおばりながらロケ場所を移動するという感じでした。

共演者の方はいかがでしたか?―最初から最後まで現場ではとてもいい空気が流れていて、皆さん優しくて穏やかでステキな方ばかりでした。一緒にお芝居が出来たことが本当に楽しかったです。
鈴子が心惹かれる青年を演じた森山未来さんとの共演も話題ですね。―森山さんは「ウォーターボーイズ」のイメージが強かったので、今回の中島君という繊細な青年の役を森山さんが演じるというのか想像できなかったのです。でも共演してみて、森山さんは本当に繊細な演技をされる方だと思いました。表情の微妙な震えなど細かく演じていらっしゃったので。森山さんをはじめ共演者の方皆さん、どなたも「自分が前にでる」というタイプの方ではなかったのですがプロのお仕事をされていたと感じました。共演者の皆さんのお陰で「お芝居ってやっぱりいいな」と思いながら鈴子を演じられました。
タナダユキ監督が蒼井さんを想定して書いた作品ということですが。―多分監督と私はタイプが似ている人間なのだと思います。明るく溌剌!というタイプではないので。「明らかに私達がないものを持っているよね」と共演者の女性をみて監督と話したこともありましたね。やはり似ているんでしょうね。監督の世界観と私の存在がマッチしていたのかもしれません。私のことをパーティでも所在無くしているタイプだろうと思っていらしたようですから。
実際に役作りをする上で監督からアドバイスなどありましたか?―基本的に役者のやりたいように演じさせてくれるのがタナダ監督のやり方でした。ですから俳優陣は皆監督に信頼、尊重されていると錯覚をするんですね。だから自信を持って演じられたと思います。お任せで自由に演じられた部分がほとんどですが、すごく細かく指示をいただいたシーンも若干ありました。たとえば、早足で歩くシーンなどは監督の頭の中に描いている絵があったのとカメラワーク的な理由から指示をいただきました。でもほとんど自然体で演じられました。
最後のシーンは鈴子の気持ちに大きな変化がありましたね。鈴子の感情を表現する上で意識した点はどこですか?―鈴子は自分の存在は世間で必要ないと思って生きていた女の子です。だからこれまで猫背で、意図的に人との距離をとるために大股で早足で歩いたりしたりしていました。でも最後は自分の足で世間から逃げないで生きていくという意志が伝わるように、駅までの間新たな自分のペースで歩くようなった鈴子を演じたつもりです。

最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。―人間臭く不器用で頼りない鈴子という女性を共演者の方に作り上げていただいた気がします。素晴らしい撮影現場でした。ぜひご覧になっていただきたいです。
<インタビューを終えて>
インタビューに現れた蒼井さんはスレンダーでとてもキュートなお顔立ちが印象的な女優さんでした。映画の中の鈴子のようにシャイな方ですが、とても礼儀正しくご挨拶され、一言ずつ丁寧に言葉を選んでお話ししてくださいました。映画、CM、雑誌の表紙など大活躍の蒼井優さんの今後も見逃せません。
(編集部・木下)



